「とっておきの私立中学校」は首都圏を中心とした特徴ある私立中学校の魅力を年1回およそ25年にわたり発行している中学受験情報誌です。
掲載校それぞれの理念や校訓に基づいた教育、取り組みや行事など独自取材によってまとめあげ、最新情報をお届けしています。
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帰国生のための「とっておき」の入試・最新ガイド

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中学受験が激変!時代の求めるあり方へと進化する、私学の教育と入試の変化

ほぼ3年半にわたって続いてきたコロナ禍は、「日本の教育と入試の変化」を加速させ、世界の国々の教育も変化しました。社会の仕組みも変化し、保護者世代の働き方も「DX化」が進んでいます。そうした変化のもとで、多くの私学は、オンラインでの学びと、実際に学校に通えるからこそできる「仲間との学び」の両方の良さをあらためて見直し、それをハイブリッドな形で今後の自校の教育に生かしています。海外研修の機会を1~2年にわたって奪われた期間も、インターネットを使って海外の学校・生徒との交流を続けてきた私立中高が大半でしたが、それらの体験の機会も続々と再開しつつあります。困難な状況のなかでも、生徒の学びを止めることなく、むしろ“進化”させてきた私学の教育力と柔軟性に、あらためて大きな期待が寄せられています。

3年半のコロナ禍を経て、様々な側面で中学受験も変化した!

2021年から今春2023年にかけての首都圏中学入試で起きた変化には下記のような点が挙げられます。

① 中学入試の風景が変わった。
② 入試要項が直前まで変わり続けた。
③ 受験の志向が静かに変わり始めた。
④ ほとんどの中堅校の志願者・入学者が増加した。
⑤ 大学付属校・共学校人気が、男子校・女子校人気にも分散した。
⑥ 中学入試の形態と出題内容が変わり始めた。

最初の①「中学入試の風景が変わった」というのは、すでにご存知の方が多いと思いますが、それまで1月~2月の風物詩とも言われた、中学入試当日の朝の塾の先生やスタッフによる激励(入試応援)が、コロナ感染対策のために、学校からの自粛要請や塾の自らの自粛によりほとんど姿を消し、静かな朝の風景となったことです。

②の「入試要項が直前まで変わり続けた」は、今春2023年こそ入試直前に変更のあった学校はありませんでしたが、2021年と2022年入試では、年明けからの感染拡大による影響を考慮して、急遽、面接を取りやめる女子校(とくにミッションスクール)が多く現れたことなどです。

③の「受験の志向が静かに変わり始めた」というのは、従来のネームバリューや偏差値の高さ、大学進学実績の良さといった物差しだけにとらわれずに、新たな教育の価値や将来性に目を向けて、「わが子に合った」学校を探し出そうとする保護者の志向が目立ったことです。

④と⑤の「ほとんどの中堅校の志願者・入学者が増加した」ことと、「大学付属校・共学校人気が、男子校・女子校人気にも分散した」ことは、人気動向の変化の側面ですが、この2~3年続いてきた「共学校志向」や「大学付属校人気」がやや沈静化し、男子校の良さや、それまで少し人気離れが目立っていた女子校の魅力に目を向けるケースが増えてきたことです。

それは、様々な個性やカラーを持つ私立中高一貫校それぞれの特徴や魅力に目を向けて、それらの多様な選択肢のなかから、「本当にわが子に合った学校はどこだろう?」という視点で、上手に学校を選ぶケースが増えてきたことの反映ではないでしょうか。

こうした多くの選択肢のなかから個人個人の価値観や視点で「わが子にとってベストの」学校選択ができることが、中学受験の大きな魅力のひとつでもあるのです。

中学入試の出題や形態の変化は、将来の社会の変化を反映したもの

そして、⑥の「中学入試の形態と出題内容が変わり始めた」ことは、これから先の大学入試の変化や、将来の社会で求められる力の変化とも大いに関係しています。これまで、「中学入試(の形態)の多様化」という変化については、私立中にも英語入試や適性検査型入試をはじめ、様々な「新タイプ入試」が広がってきたことがマスコミでも度々紹介されてきました。

ただし「中学入試の出題の変化」は、そうした入試形態についてだけではなく、従来から行われてきた教科型の筆答試験においても「変化」が目立ってきたことが特筆できます。たとえば、入学者選抜に「入試(=入学試験)」という表記を使わない公立中高一貫校の「適性検査」にも、ここ数年では、一部の学校で「知識の多寡や情報処理力、判断の正確さとスピード」なども問う、いわば私立中寄りの出題が増えてきたという変化があります。 その一方で、逆に私立中学校の入試問題にも、「適性検査」的な出題が増えてきたという変化が見られるのです。その「適性検査」的な出題としては、たとえば「立場や意見の違いを考えさせる」ような記述問題が挙げられます。

この先に大きく変化する大学入試や、グローバルなコミュニケーション力、協働力が求められる将来の社会では、こういった「正解がひとつに定まらない」問いに対して、様々な角度の視点や考えから「最適解」を導き出していく力が求められます。

こうした傾向に見られるように、中学入試という選抜は、単に小学校6年生の1~2月の時点での「完成された(教科別の)学力」を問うだけのものではなく、将来にわたって、これからの人類が直面する様々な難問を自分自身の課題として受け止め、最適解を導き出していくために「学び続ける」力を問うものへと変化していると考えることができます。

そうした意味でも、今の中学入試の出題の変化は、この先の世の中で求められる新たな教育のあり方を反映したものだと言えるのではないでしょうか。

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